AGAは、治療しないと徐々に進行していき、進行すればするほど治療期間も治療費用もかかってしまいます。しかし、治療すれば薄毛や抜け毛の悩みを軽減することは可能です。
「薄毛や抜け毛の悩みを何とかしたい」と思っている方の不安を解消すべく、この記事では適切なAGA治療で「改善」は可能であることや、いつまで治療を続けるべきかなどについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
AGAは治らない（完治しない）進行性の脱毛症である
AGAとは、男性型脱毛症のこと。男性型脱毛症は進行性の脱毛症であり、放置しておくと脱毛が進行していきます。また、改善効果を期待できる改善薬は開発されていますが、残念ながら根治する薬ではないため完治はしません。
AGAの原因は、毛髪中のジヒドロテストステロン（DHT）と言われる「悪玉の男性ホルモン」の量が関係していると考えられています。この悪玉の男性ホルモンは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」と還元酵素である「5αリダクターゼ」が結合して生成される成分です。
AGA発症の流れは、以下のとおりです。
- テストステロンと 5αリダクターゼが結合する
- 悪玉の男性ホルモンが発生する
- 男性ホルモンレセプターと言われる男性ホルモン受容体が悪玉の男性ホルモンをキャッチする
- 抜け毛の原因であるTGF-βという脱毛因子を生み出す
- TGF-βが髪の毛を成長期から退行期へと移行させる
ちなみに、ヘアサイクルとは、周期とも呼ばれ、発毛と脱毛を繰り返す周期のことです。一般的に約2〜6年の周期 で生え変わると言われています。
AGAが完治しないのは「正しいヘアサイクルに戻す方法」が開発されていないから
AGAが完治しない理由は、現在開発されているAGA治療薬や治療方法では正しいヘアサイクルに戻すことができないからです。完治しない理由の原因として、DHTとも呼ばれる悪玉の男性ホルモンの影響があります。
治療薬には、AGAの原因となる悪玉の男性ホルモン（DHT）の量産を抑制できる予防薬はあっても、正しい量に戻す薬は開発されていません。よって、改善はできても治らないといわれています。
AGAは完治せずとも適切な治療で「改善」は可能
AGAは治る病気ではありませんが、治療を継続していけば、改善効果を実感できるでしょう。治療によって、発毛効果や脱毛抑制効果を期待できる薬もあります。完治はできなくても、適切な治療で改善は可能です。
治療のなかには、すぐに効果が現れない治療もあります。例えば、投薬治療の効果が出始めるまでには個人差があり、効果を実感できるまでに半年から1年くらいは経過を見る必要があるといわれています。
前述の通り、通常約2年から6年ほどのヘアサイクルを通して新しい髪に生まれ変わりますが、AGAを発症している場合、このヘアサイクルが乱れてしまい、数ヶ月から1年くらい の短いサイクルになってしまいます。すぐに効果が出ないからといっても、あまり焦らずに継続していくことが大切です。
生活習慣やヘアケアの見直しも進行を遅らせるために有効な方法のひとつ
AGAは、遺伝だけでなく、生活習慣や栄養不足などが原因ともいわれています。そのため、生活習慣の改善やヘアケアの見直しをおこなうことも大切です。
例えば、睡眠不足や運動不足、食生活の乱れは血行不良の原因につながります。血行不良は必要な栄養が頭皮に行き届かなくなり、頭皮環境の悪化を招いてしまう可能性も。また、頭皮を不衛生にしておくこともよくありません。正しいやり方でシャンプーをおこなうなど、頭皮環境を整えるためにはヘアケアの見直しも必要です。
頭皮環境の悪化につながるようなことは控え、規則正しい生活を送るように心がけましょう。日々の積み重ねがAGAの進行を遅らせるための近道になります。
代表的なAGA治療の種類と費用目安
AGA治療には、大きく分けて3種類あります。
- 予防効果の高いAGA治療薬を用いる方法
- 予防効果のある治療薬と発毛効果のある治療薬を併用する方法
- 植毛/増毛も併用した対処療法
まず、「予防効果の高いAGA治療薬を用いる方法」とは、内服薬を用いるケースが多いです。抜け毛が気になり始めてすぐの方や今後心配な方に対して、予防目的でおこなわれます。組み合わせにもよりますが、月額3,000円～1万2,000円くらいが費用の目安になります。
「予防効果のある治療薬と発毛効果のある治療薬を併用する方法」とは、外用薬と内服薬を用いるケースが多いです。すでに薄毛や抜け毛が進行している場合、これ以上の抜け毛を抑制する治療薬と発毛を促進する治療薬を併用して治療が進められます。月額1～2万円くらいが費用の目安になります。
最後に、「植毛/増毛も併用した対処療法」とは、自身の毛髪や人工毛を薄毛部分に移植する植手術のことです。 投薬治療で効果がない場合に推奨されています。移植範囲によって相場が異なり、数十万から数百万円単位の費用がかかります。
予防効果の高いAGA治療薬を用いる方法
抜け毛を予防する目的のAGA治療薬は、「早期治療」で使われることが多く、費用も抑えることができます。
プロペシアは、AGA治療によく用いられる抜け毛を抑制する治療薬です。副作用の出現率は1%以下と低く、主に5αリダクターゼII型を抑制します。5αリダクターゼとは、脱毛の原因となる「悪玉の男性ホルモン」を生み出す還元酵素のこと。5αリダクターゼにはI型とII型があり、それぞれ存在する体の部位が異なります。プロペシアでは効果が不十分だった場合にザガーロに切り替えるのが一般的な流れで、ザガーロには5αリダクターゼI型も抑制する効果があります。
副作用は、プロペシアは勃起不全、肝機能障害などがあり、ザガーロにも勃起不全、性欲減退などがあります。費用については、プロペシアよりザガーロのほうが高価です。
| AGA治療薬 | 期待できる効果 | 副作用 | 費用目安（月額/年額） |
| プロペシア | ・抜け毛予防 ・5αリダクターゼII型を抑制 | ・勃起不全 ・性欲減退 ・肝機能障害など | 3,000～8,000円 |
| ザガーロ | ・抜け毛予防 ・5αリダクターゼI型・II型を抑制 | ・勃起不全 ・性欲減退 ・精液減少など | 7,000円～1万2,000円 |
予防効果のある治療薬と発毛効果のある治療薬を併用する方法
すでに薄毛や抜け毛が目立ってきており、AGAが進行している場合は、発毛を促進する薬と抜け毛を抑制する薬が組み合わされて処方されます。プロペシアやザガーロだけでは効果が不十分の場合、追加で処方されることが多いのが、発毛を促進する「ミノキシジル」です。ミノキシジルには、薄毛部分に直接塗布する外用薬と内服薬があります。日本では、内服薬は認可されていませんが、AGAクリニックでは取り扱うところが増えています 。
ミノキシジル外用薬の副作用は、かゆみやかぶれなどがあり、肌の弱い方に出やすいといわれています。内服薬の副作用は、立ちくらみやめまいなどです。また、毛髪以外の体毛も濃くなってしまう可能性があります。
一般的に、抜け毛を予防するプロペシアとザガーロと併せて処方されることが多いです。費用は組み合わせによって異なりますが、予防効果のある治療薬を用いる方法の場合よりも高価になります。
| AGA治療薬 | 期待できる効果 | 副作用 | 費用目安（月額/年額） |
| ミノキシジルの外用薬 | 発毛を促す | かゆみ、かぶれ、頭痛など | 5,000円～1万5,000円 |
| ミノキシジルの内服薬 | 発毛を促す | 立ちくらみ、めまい、体毛が濃くなるなど | 5,000円～1万2,000円 |
関連記事：AGA治療薬の種類は何がある？症状に適した薬の選び方や副作用の有無を解説
植毛/増毛も併用した対処療法
投薬治療で効果がなかった場合や、すぐに見た目を改善したい場合は、「植毛/増毛」という方法もあります。治療範囲によって治療費は異なり、総額で数十万から数百万円単位の費用がかかります。ローンを組んだ場合や月額に換算すると、おおよそ追加で月額2〜8万円が必要になります。
AGA治療はいつまで続けるべきなのか
AGA治療は、いつまで続けたらいいのか、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。先のはっきり見えない治療は、しんどさを伴うこともありますよね。治療をやめたらどうなるのか、一生続けるべきなのか悩むこともあるでしょう。そこでここからは、AGA治療をやめたらどうなるのか、一生続けるべきなのかについて解説します。
AGA治療をやめたら症状は徐々に進行してしまう
AGA治療は、あくまで対症療法であり、治療をやめたら再び症状が出てきてしまうでしょう。なぜかというと、AGAは完治することがなく、放置しておくと進行する病気だからです。効果を持続させるためには、現時点では治療を続けるしかありません。そのため、薄毛の悩みを抱えている間は、治療を継続する必要があります。
AGA治療は一生続けるべきかの判断は「患者自身の考え/理想」による
AGA治療を一生続けるかどうかは、本人の頭髪に対する満足度によって異なります。「薄毛の状態が受け入れられない。どうにかしたい」と感じる間は、AGA治療を続けるべきでしょう。しかしながら年齢とともに薄毛であることに問題を感じなくなり、悩まなくなる場合もあれば、年齢に関係なくずっと若々しくいたいと思う方もいるかもしれません。よって、AGA治療を続けるかどうかは、本人の考え方や思い描く理想像によって変わってきます。
AGAとうまく付き合っていくには「信頼できるクリニック選び」が重要
AGA治療は、一度治療薬を服薬すれば症状が改善するようなものではなく、長期的に関わっていく必要があります。そのため、自分1人でおこなうと「本当にこれでいいのか」「いつまで続けたらいいのか」と焦りや不安を抱えてしまうこともあるかもしれません。だからこそ気軽に悩みを相談できるような信頼できるクリニックを見つけて、継続的に治療をおこなうことが、AGAと気長に付き合っていくコツです。
また、AGA治療には保険が適用されず自由診療のため、クリニックによって料金設定が異なります。継続的に治療費用を捻出できるかもクリニック選びの重要なポイントとなるでしょう。自分の一番納得のいく形でAGAとつき合っていくために、ぜひ参考にしてください。
AGAの診療は、オンラインでも行えます。AGA特化遠隔診療サービス「Pesod」では、医師によるオンライン診療に医薬品・発毛剤・育毛剤を組み合わせたパーフェクトトータルケアをサポート。遺伝子検査に基づいた発毛のためのプログラムを策定・提供する医療機関とのマッチングが叶います。
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