AGAの治療のためには、治療薬を一定期間服用もしくは塗布し続ける必要があります。しかし気になるのが副作用です。AGAの治療を始めるにあたって、副作用に不安を感じている方も多いはず。
この記事では、AGA治療薬が原因で引き起こされる副作用について詳しく解説します。また副作用が現れたあとの対処法についてもご紹介。これからAGA治療を検討している方は参考にしてください。
AGA治療による副作用は何がある?【治療薬別】
AGAの治療薬は、予防目的と発毛目的の2種類があります。種類も多く、頭皮や髪の状況によって使い分けられます。代表的な治療薬は次の5つです。
- プロペシア(フィナステリド)
- ザガーロ
- ミノキシジル
- ロゲイン
- アロビックス
薬とそれぞれの副作用については、次の表をご覧ください。
治療薬名 | 内服/外用 | 使用目的 (予防/発毛) | 副作用 |
プロペシア(フェナステリド) | 内服 | 予防 | 性欲減退(リビドー減退)・勃起機能不全・肝機能障害・頭痛・胃の不快感・下痢・眠気・頻尿・初期脱毛 |
ザガーロ | 内服 | 予防 | 性欲減退(リビドー減退)・勃起機能不全・肝機能障害・倦怠感・食欲不振・乳房肥大・気力低下・むくみ・体毛の脱毛・多毛症・初期脱毛 |
ミノキシジル | 外用 | 発毛 | 皮膚の炎症(湿疹、じんましん、かゆみ)・めまい・動悸・血圧上昇・多毛症・初期脱毛 |
ロゲイン | 外用 | 発毛 | 皮膚の炎症(湿疹、じんましん、かゆみ)・低血圧・初期脱毛 |
アロビックス | 外用 | 発毛 | 皮膚の炎症(湿疹、じんましん、かゆみ)・発汗・発熱・吐き気・悪寒 |
内服薬の副作用は、主に性機能の減退と肝機能障害です。外用薬の副作用は、皮膚の炎症と血管拡張作用による動悸や血圧上昇が中心です。
初期脱毛は、毛根再生が起こる際に休止期に入った不健康な髪の毛が大量に抜け落ちる現象です。発毛の治療にもかかわらず大量に毛が抜けてショックを受けるかもしれませんが、こういった副作用があると知っておけば動揺せずに済みます。
AGA治療で副作用が出た場合やめるべき?続けるべき?
AGA治療で副作用が出た場合、治療を中断するか迷うところです。特に健康に大きく影響するような重度の副作用がある場合は、服用をやめるか薬を変更したほうがいいかもしれません。
ただし、自己判断で服用や塗布をやめるのはおすすめしません。必ず医師と相談し、その指示に従いましょう。
ここでは判断の目安となる軽度の副作用と重度の副作用について触れておきます。
服用/塗布を続けるべき軽度の副作用
服用や塗布を続けるべき軽度の副作用は次のとおりです。
- 食欲不振
- 倦怠感
- 頻尿
- むくみ
- 初期脱毛
- かゆみ
AGAの治療薬は肝臓で代謝されます。しかし代謝機能が働きにくくなると肝臓で炎症が起こり、食欲不振や倦怠感などの症状が現れます。もともと肝臓に疾患がある場合は注意が必要ですが、軽度であれば心配ありません。
また塗布タイプの薬が頭皮に合わない場合は、かゆみなどの症状が出ます。軽いかゆみでおさまっているようなら塗布を中断する必要はないでしょう。
服用/塗布をやめるべき重度の副作用
副作用の程度がひどいうえに長く続くようなら、早急に医師に相談し、治療薬の変更や使用中止を検討する必要があります。特に次のような症状が現れたときは、すぐに医師に相談しましょう。
- 高血圧
- ひどい動悸
- うつ症状
- じんましん
- 急激なアレルギー症状
血管を拡張するタイプの治療薬は、高血圧症や低血圧症、また狭窄症など心臓に疾患がある人は使用できません。心臓に負担がかかる場合もあり、ひどい動悸を感じたときは、すぐに医師に相談しましょう。また塗布によって皮膚の炎症がひどい場合も同様です。
AGA治療薬による副作用とその対処法【症状別】
副作用に対する代表的な対処方法としては次の3つです。
- 専門医に相談する
- 薬を変更してもらう
- 薬を減らしてもらう
AGAで深刻な副作用が現れるケースは、それほど多くありません。しかし事態を軽く考えず、次のような副作用が生じたときは、放置せず早急に対処しましょう。
頭皮のかゆみやかぶれなどの頭皮の炎症
塗布するタイプの治療薬の場合、肌に合わないと頭皮にかゆみが生じます。少しのかゆみやフケであれば問題ありませんが、じんましんやただれなど炎症がひどい場合は、塗布をいったん中断し専門医に相談しましょう。頭皮に合う薬に変更してもらうようにします。
頭痛やほてり
AGA治療薬の血管拡張効果の影響で、頭痛やほてりの症状が現れることもあります。軽度のものであれば問題ありませんが、動悸が激しい場合は、心臓に負担がかかっている場合も考えられます。すぐに医師に相談しましょう。
性欲減退・勃起不全
男性ホルモンを抑制する効果があるAGA治療薬の場合、精子の量が減少する場合もあります。その影響で性欲減退や勃起不全の副作用が生じます。射精不全の症状が現れるケースもあり、妊活中の方は要注意です。医師と相談したうえで服用を決めましょう。
頭皮以外の体毛の増加
AGAの治療薬には、血流を促進する効果があります。血流がよくなり全身に発毛成分が巡った結果、髪の毛以外の体毛が増加したり濃くなったりする場合があります。これは服用中の一時的な症状である可能性が高く、治療をやめると再び薄くなる場合がほとんどです。ただし女性で一時的でも体毛が濃くなるのを望んでいない場合は、あらかじめ医師に相談しましょう。
肝機能障害(吐き気・食欲不振)
内服系のAGAの治療薬は肝臓で代謝されます。肝機能障害の初期症状としては、吐き気や食欲不振などです。ただしプロペシアの添付文書によれば実際に使用して肝機能障害が見られたのは0.2%と非常に低い数値となっています。
風邪薬や抗アレルギー薬なども肝臓で代謝されるので、肝臓に負担をかける点では他の薬と同様です。実際に肝機能に異常が見られた場合は、血液中の数値で分かります。AGAの治療の際には血液検査が行われる場合も多く、肝機能に不安がある場合は事前に医師と相談しておくといいでしょう。
抑うつ症状
一部のAGAの治療薬では、抑うつ症状が報告されています。因果関係は明確にされていませんが、ホルモンバランスの乱れが関係しているようです。症状は、やる気・集中力の低下・イライラするなど。軽い症状におさまらず、眠れない・悲観的に考えて落ち込むなど日常生活に支障が出るようでしたら、すぐに医師に相談しましょう。
呼吸困難
重いアレルギー症状が出ると、血圧が急に低下したり呼吸困難を起こしたりすることもあります。それ以外にも、内服薬の使用後調査では、呼吸困難以外にも胸痛・心拍数増加・動悸・息切れなどの副作用が報告されました。まれに重大な血管系障害が生じる危険性があります。呼吸困難の症状を感じた場合は、すぐに医師による診察を受け、その後の処方について検討しましょう。
AGA治療の副作用を理由にやめると症状は進行してしまう
AGAは進行性の病気です。治療を中断すると再び薄毛や脱毛症状が進行します。もし治療を中断するとしたら、次のような理由の場合です。
- 1年以上治療しても効果がない
- 激しい副作用が出た
- 妊活を考えている
副作用の初期脱毛で多くの毛が抜けることもありますが、一時的なものです。副作用を理由に治療を中断してしまうと、症状が大幅に進行してしまうリスクも。後悔しないためにも、軽度の副作用であれば、医師に相談したうえで治療を継続するようにしましょう。
またAGAは一般的な加齢による抜け毛とは進行の度合いが違います。20代・30代の若さでも、非常に脱毛の進行が早く、早期治療が重要です。AGAの進行速度については、こちらの記事を参考にしてください。
AGA治療には、内服薬のほか、外用薬による治療もあります。国内承認薬である「フィナス内服薬」は、性欲減退や勃起機能障害(ED)などの男性機能低下や肝機能障害といった副作用があるものの、国内承認薬を使ったほうが、副作用救済制度が使えるため安心です。
内服薬による副作用が心配な方は、「ミノキ外用薬」に切り替えるのもおすすめです。
なお、「ミノキシジルのタブレット」は、全身の多毛症を起こす副作用があり、AGA治療薬として承認されている国はないので、使用しないように注意しましょう。
AGA治療は継続することが重要
AGAの治療を開始して発毛を実感するまで、最低でも数カ月から半年はかかります。その理由は、ヘアサイクルにあります。
髪が1カ月に伸びる長さは約1cm程度。一度抜けた髪の毛が再び生えて抜けるまでのヘアサイクルは、男性が3~5年、女性が4~6年です。しっかりした毛が生えそろうまで、治療を最低でも半年から1年は継続する必要があります。
治療を継続するためには、治療の流れや費用について認識しておきましょう。
治療の流れ | 1.問診・カウンセリング 2.血液検査 3.薬の処方 4.定期検診(月に1回程度) |
費用の目安 | ・初診料:3,000~5,000円 ・検査料:5,000~10,000円 ・薬代:3,000~30,000円 ・再診料:1,000~3,000円 |
内服薬のみの場合は3,000~5,000円/月程度ですが、外用薬も併用すると費用は2~3万円/月と高額になります。薬代のほかに専用のシャンプーやコンディショナーを購入する場合も想定しておきましょう。
診察代や検査代は、それほど高額でないものの半年から1年以上治療を続ける必要があるので、毎月の費用負担を考えておく必要があります。
AGA治療は副作用を理解しつつ「早期」から始めよう
AGA治療による副作用の詳細を内服と外用それぞれ解説しました。副作用が怖くてAGA治療をためらう方もいるかもしれません。しかしAGAは進行性の病気です。早期で始めるほど、改善までの期間は短く済みます。
またAGA治療薬に限らず、副作用のない薬は存在しません。長期の継続治療が重要なAGA治療の場合、体質に合った薬を処方してもらうことが重要です。体調の異常を感じた場合は、早急に医師に相談し、治療薬の変更や減薬などの対処をしてもらいましょう。
副作用が想定されるため、自己判断は禁物。AGA専門クリニックを受診し、医師の診断のもと治療しましょう。
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