年々薄くなってくる頭髪。どうにかして自力で治す方法はないものでしょうか。抜け毛のスピードを遅らせたり、新しい毛を生えさせたりする方法があれば試してみたい人も少なくないと思います。
この記事では、薄毛の原因を詳しく解説すると同時に、すぐ取り組める対処法を紹介します。男性に限らず女性も取り組める内容ですから、薄毛が気になる方は参考にしてください。
薄毛の原因になってしまう5つの悪習慣
薄毛にはふたつのパターンがあります。ひとつ目は頭髪が抜け落ちて本数が減ってしまう状態。ふたつ目は本数が変わらないまま毛が細くなる状態です。
頭髪は1日に50本から100本は自然に脱毛しているといわれていますが、150本以上/1日の脱毛が続くようなら、病的な脱毛と考えられます。その場合は、脱毛の原因を知り、取り除く必要があります。
主な薄毛の原因は次の5つです。
- 生活習慣の乱れ
- 睡眠時間の不足
- 栄養バランスの偏り・外食中心の食生活
- 多量の飲酒・喫煙
- 間違ったヘアケアをしている
それぞれ詳細と対処法を紹介します。
生活習慣の乱れ
健康な髪の育成のためには、健康的な生活習慣が欠かせません。肌荒れと同じく、不健康な生活を送っていると頭髪にも影響を及ぼします。ヘアサイクルや髪質に悪影響を与える悪い生活習慣は次のとおりです。
- 寝不足
- 運動不足
- 栄養不足
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 高脂肪・高カロリー食
- ストレス
上記のものは、いずれも血流が悪くなる原因となります。血流が悪くなると、毛根へ十分な栄養を運べず、抜け毛や薄毛につながります。特に円形脱毛症のような急激な脱毛は、ストレスが原因のことが多いといわれています。
対処法としては、適度に運動して十分な睡眠をとる。過度な飲酒を控え、健康的な食事を心がけるなどです。
睡眠時間の不足
睡眠は細胞の修復のために重要です。なぜなら身体の細胞を修復し成長を促す成長ホルモンが睡眠時に多く分泌されるからです。
成長ホルモンは、タンパク質の代謝や合成を促進させる働きがあり、分泌量が多いほど丈夫な髪を作り出してくれます。入眠後30分から1時間後くらいに訪れる深い眠りの最中に多く分泌され、午後10時から午前2時ごろにピークを迎えます。
睡眠の質を上げるための工夫は次のとおりです。
- 朝日を浴びる
- 良質なタンパク質を摂る
- 寝る前にスマホを見ない
- 適度に運動する
特にスマホやパソコンのブルーライトは、網膜と脳を刺激させ睡眠をつかさどるホルモン分泌を抑制させます。睡眠の2~3時間前は、できるだけスマホ画面を見ないようにしましょう。
栄養バランスの偏り・外食中心の食生活
健康な髪の維持や育成には良質なたんぱく質や栄養が欠かせません。忙しいからと外食中心の食生活になると、髪の成長に必要な栄養素が十分に摂れないので注意しましょう。
特に次のような食生活は毛髪にとって悪い習慣といえます。
- 外食やコンビニ弁当中心の食生活
- 高カロリー、高コレステロール食ばかり
- お菓子や清涼飲料水を食事がわりに食べる
髪の成長に欠かせないタンパク質・ミネラル・ビタミンなどの栄養素については、詳しく後述します。
多量の飲酒・喫煙
アルコールは胃と小腸で吸収されたのち肝臓で分解されます。分解には酵素が使用されますが、過度な飲酒で分解が追い付かない時は、不足分を補うために体内のアミノ酸が動員されます。
アミノ酸は、髪の成長に欠かせない栄養素ですが、過度な飲酒で常にアミノ酸が使用されていると、髪は栄養不足の状態に。多量の飲酒がアミノ酸不足につながり、髪が細くなったり抜け落ちたりなどの影響が考えられます。
さらに多量の飲酒でアルコールの分解が追い付かない場合、体内に男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが増加すると考えられています。ジヒドロテストステロンはAGA(男性型脱毛症)の原因物質で、頭皮にあるレセプターと結合し毛母細胞の働きを低下させます。その結果、髪の成長サイクルを短縮(抜け毛)させ、薄毛の原因となります。
参照:日本皮膚科学会ガイドライン|男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン
また喫煙は、毛細血管を収縮させ血流を悪くさせます。特に煙草に含まれるニコチンは、強い血管収縮作用を持ち頭皮へ栄養を運ぶための血流を妨げます。
薄毛を防ぐために次のようなことに気を付けましょう。
- 深酒をしない
- 休肝日を設ける
- 喫煙を控える・禁煙する
飲酒や喫煙は習慣性が高く、すぐにやめるのは難しいかもしれません。しかし薄毛改善のためには、取り組む価値が高いでしょう。
間違ったヘアケアをしている
髪のために取り組んでいるヘアケア方法が間違っている場合があります。よくある間違ったヘアケアとしては次のようなものがあります。
- 頭皮の洗いすぎ
- 頭皮マッサージのし過ぎ
- ドライヤーをあてすぎ
- 合わないシャンプーや育毛剤の使用
頭皮を清潔にするため1日に2回シャンプーすると、必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。すると頭皮を守るために皮脂の分泌が活発になり、かえって頭皮がべたついたり毛穴が詰まったりと逆効果となる可能性も。
頭皮マッサージも同様で、過度なマッサージで、頭皮や毛細血管を傷つけると本末転倒です。シャンプー後は、ドライヤーで8割乾かしたのち、育毛剤を付けた清潔な手で優しくマッサージする程度にしておきましょう。
ドライヤーに関しては強すぎも半乾きもNGです。半乾きのまま寝ると、蒸れた頭皮から雑菌が発生し、フケやかゆみの原因となります。反対にドライヤーをあてすぎて、熱で頭皮を痛めるのも避けたいところ。8割まで乾かして、残りは自然乾燥するくらいがよいでしょう。
最後に、体質に合わないシャンプーや育毛剤の使用も頭皮環境を悪化させます。男性用と女性用とでは原因へのアプローチや配合成分が違います。体質や目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
薄毛改善で重要なのは「生活習慣・食事・セルフケア」の3つ!
薄毛の5つの原因に対処するには、「生活習慣・食事・セルフケア」の3つが重要です。しっかり取り組むことで薄毛の進行を遅らせる可能性もあるでしょう。ここでは3つのポイントを深掘りしてご紹介します。
ただしAGAの場合は、進行性の病気ため、専門的な治療が必要です。AGAの治療内容と効果については、こちらの記事をご参照ください。
規則正しい生活習慣にする
不規則な生活習慣は、薄毛の原因となります。就寝・起床時間や食事の時間など一日のサイクルを決めて守るようにしましょう。生活リズムを整えることで、ヘアサイクルを正しい周期にもどせる可能性が高まります。
また十分な入浴時間を確保するのも重要です。リラックスし血行を良くすることで、薄毛の改善が期待できるでしょう。
健康的な髪に必要な栄養素が摂れる食生活を心がける
髪に必要な栄養素を意識して摂るよう食生活を整えることも重要です。特にタンパク質、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、コラーゲンなどは、丈夫で美しい髪には欠かせません。
期待できる効果について次の表をご覧ください。
栄養素 | 髪への効果 |
タンパク質 | ・ケラチンというタンパク質が髪の主成分のため、美しい髪の維持につながる |
ミネラル(亜鉛・ヨウ素・鉄など) | ・新陳代謝促進 ・タンパク質の合成 ・悪性ホルモンを抑制 ・栄養素の運搬 |
ビタミンA・B2・B6・C・E | ・ターンオーバー促進 ・タンパク質の合成 ・血流促進 ・コラーゲンの合成促進 |
イソフラボン | ・脱毛因子の抑制 |
コラーゲン | ・毛包幹細胞を保護 ・発毛の手助け ・血流の改善 ・頭皮の状態をよくする |
以上の栄養素を意識して摂るようにしましょう。髪によい栄養素を含む食べ物は次で紹介します。
薄毛改善に効果があるとされる食べ物
上記で解説した髪によい栄養素を多く含む食べ物を紹介します。日々意識して摂るようにしましょう。
栄養素 | 豊富に含まれる食べ物 |
タンパク質 | 鶏肉・豚肉・鮭・アジ |
ミネラル | 海藻(わかめ・ひじき・のり・こんぶ) カキ・イワシ・シラス |
ビタミン | 鶏肉・豚肉・牛肉・ウナギ・カツオ・ブロッコリー・アーモンド・落花生・ゴマ |
イソフラボン | 大豆・豆製品(豆腐・豆乳・きな粉・味噌など) |
コラーゲン | 豚足・鶏皮・手羽先・軟骨・牛スジ・牛テール・豚バラ肉・フカヒレ・エイヒレ・魚の皮・うなぎ・なまこ・カレイ・エビ・くらげ |
外食する場合も、できるだけ以上のような食品を使用しているメニューを選ぶようにしましょう。
正しいヘアケアを続ける
間違ったヘアケアは、かえって薄毛を悪化させます。正しいヘアケア方法を知り、継続していくことが大切です。特にヘアケアでは次のような点に気を付けましょう。
- 自分にあったシャンプー/リンス(洗浄力やケア成分など)を使う
- シャンプー前やドライ前にヘアブラシをかけて絡まりを解いてから行う
- 半乾きのまま寝ない
- 清潔な枕で寝る
何よりも頭皮に負担をかけず、清潔な状態を保つことが重要です。毎日の積み重ねによって大きな差が生じるかもしれません。正しいヘアケアを知り、日々続けていきましょう。
薄毛を自力で治すことは可能?
これまでに解説した5つの原因が当てはまるようであれば、状況を改善することで薄毛を治せるかもしれません。しかし薄毛の原因がAGAの場合は、5つの原因を取り除いただけでは改善は難しいと認識しておきましょう。なぜならAGAは進行性の病気で、専門的な治療が必要だからです。原因となる男性ホルモンに働きかける薬の処方や積極的な発毛を促す外用薬などが必要です。
薄毛が気になる・改善したいならAGAクリニックへの受診がおすすめ!
薄毛の原因となる要因はさまざまです。生活習慣や食事、日々のヘアケアなど、複合的な要因が積み重なることで薄毛が進行します。そのため、日々の努力で頭皮によい生活習慣や環境を整えることは重要でしょう。しかし薄毛の原因を自己診断で見つけ出すのは非常に困難です。
AGAの場合は、早期発見、早期治療が改善のカギとなります。確実な効果を期待するのであれば、専門家による診断が可能なAGAクリニックを受診しましょう。
また、薄毛やAGAは体質にも影響します。遺伝子検査でどの薄毛リスクが影響しやすいかの体質を知り、対策することも有効です。
AGA特化遠隔診療サービス「Pesod」では、医師によるオンライン診療に医薬品・発毛剤・育毛剤を組み合わせたパーフェクトトータルケアをサポート。遺伝子検査に基づいた発毛のためのプログラムを策定・提供する医療機関とのマッチングが叶います。
医師による診療は、無料で行えるので、薄毛・抜け毛にお悩みの方は、まずは「Pesod」のオンライン診療を受けてみてはいかがでしょうか。
薄毛改善に関するよくある質問
薄毛改善に関するよくある質問を集めました。薄毛対策の参考にしてください。
女性の薄毛を改善する方法はありますか?
女性の薄毛は、ホルモンバランスの乱れにより毛髪のハリやコシがなくなるパターンが多く、頭髪全体が薄くなるように感じます。きっかけは出産・ダイエット・更年期などさまざまです。生活習慣を整えることで改善することも多いので、まずは良質な食事や睡眠を心がけましょう。
ただし最近増えているのが進行性の女性型脱毛症(FAGA)です。男性と同様、クリニックで治療できるので、気になる方は受診してみましょう。
加齢による薄毛の対処法を教えてください。
60歳を過ぎたあたりから体毛や髪が薄くなることを老人性脱毛症と呼びます。原因は老化により細胞の働きが低下するためです。誰にでも訪れる自然な現象ですが、進行度合いには個人差があります。健康的な生活と適度な運動で代謝をよくし、身体の老化を遅らせることが薄毛対策になるでしょう。
頭頂部の薄毛は自力で治せますか?
頭頂部の薄毛の原因はおもに次のふたつです。
- AGA
- 円形脱毛症
円形脱毛症の場合はストレスが原因のことが多く、要因が取り除かれれば改善の可能性は高いです。一方、AGAの場合は自力で治すのは困難です。専門クリニックでの治療をおすすめします。
筋トレをすると薄毛改善になるって本当ですか?
筋トレによって薄毛が改善する科学的根拠はありません。ただし、運動にはストレス解消や成長ホルモンの分泌増加など健康へのプラス効果があります。生活習慣の改善の一環として取り組むとしたら意味があるかもしれません。
一方で、筋トレをすると男性ホルモンの一種であるテストステロンが増加します。AGAの原因が男性ホルモンであることから、筋トレをすると薄毛になるといった噂がありますが、これも違います。AGAの原因の一つにテストステロンが還元されたDHT(ジヒドロテストステロン)という悪玉ホルモンが存在しますが、テストステロンとDHTの働きは全く異なります。
手軽にできる薄毛の改善方法を教えてください。
通常のヘアサイクルは、3ヶ月から1年の休止期を経て、2年から6年かけて成長するものです。髪の成長には時間がかかるため、1週間対策したから2週目には髪がフサフサになるというようなことはありません。手軽にできる薄毛対策といったものはなく、この記事で紹介した改善方法を地道に取り組むことをおすすめします。
薄毛の原因を突き止め、確実な改善を望む場合は、AGAクリニックでカウンセリングを受けてみるのも一つの方法です。
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