AGAの治療は、病院でするものと考える人が増えてきました。実際、AGA専門のクリニックが登場しており、薬による予防や治療をおこなっています。しかし、薄毛が気になってはいるものの、まだクリニックで治すタイミングではないと思っている人もいるでしょう。通販の飲み薬などで治るのであれば、自前で治したいところです。
本記事では、AGAの治療薬の種類や副作用、おすすめの治療薬の選び方を解説します。
AGA治療薬は予防目的と発毛目的の2種類がある
AGA治療薬には、使用目的によって次の2つに分類されます。
治療薬名 | 効果 | 内服/外用 | 副作用 | 適しているAGA症状 | |
予防目的 | プロペシア ザガーロ | AGAの進行抑制 | 内服薬 | ・リビドー減退 ・肝機能低下 ・蕁麻疹 など | 進行する抜け毛や薄毛を防止する |
発毛目的 | ミノキシジル ロゲイン アロビックス | 発毛機能の促進 | 薬により異なる | 【内服薬】 ・低血圧 ・頭痛 ・吐き気 など 【外服薬】 ・頭皮のかぶれ ・頭皮の赤み など | AGAが進行しており髪が少ない |
次章以降で詳しく解説します。
AGAの予防目的に適した治療薬【効果・副反応】
AGAの予防目的で使用する主な治療薬で代表的なものは、以下の2つです。
治療薬名 | 効果 | 内服/外用 | 副作用 | 適しているAGA症状 |
プロペシア | 抜け毛の原因となる成分の生成抑制 | 内服薬 | ・リビドー減退 ・勃起機能不全 ・性欲減退 など | 抜け毛や薄毛が進行し始めている |
ザガーロ | 抜け毛の原因となる成分の生成抑制 | 内服薬 | ・リビドー減退 ・勃起機能不全 ・性欲減退 など | 抜け毛や薄毛が進行し始めている |
プロペシア
プロペシアは、FDA(アメリカ食品医薬品局)から承認を受け、厚生労働省からも認可を受けているAGA治療薬です。抜け毛の原因となる成分の生成抑制の効果が期待されています。後述するザガーロと比較すると、コスト・副作用のリスクともに低いのがメリットです。
一方で、予防薬としての効果を実感できるまで時間がかかるデメリットがあります。費用や副作用が気になる、時間がかかってもよい人は検討してみましょう。
ザガーロ
ザガーロは、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えるAGA治療薬です。デュタステリドと呼ばれる成分が含まれており、先述のプロペシアよりも薄毛の進行を抑制する効果が高いことが証明されました。
反面、副作用のリスクが高く、肝機能に障害を抱えている人は使用できません。比較的短期で効果を感じられる可能性は高いものの、副作用のリスクが高いことは覚えておいたほうがよいでしょう。
AGA治療として発毛目的に適した治療薬【効果・副作用】
発毛を目的とするAGA治療薬は、以下の3つが代表的な存在です。
治療薬名 | 効果 | 内服/外用 | 副作用 | 適しているAGA症状 |
ミノキシジル | 発毛に関係する細胞に働きかけて発毛促進が期待できる | 内服薬・外用薬 | ・体毛が濃くなる ・低血圧 ・頭皮のかぶれ など | 髪のボリュームがなくなってきたと感じている |
ロゲイン | 発毛に関係する細胞に働きかけて発毛促進が期待できる | 外用薬 | ・頭皮のかぶれ ・頭皮の赤み ・肌荒れなど | 髪のボリュームがなくなってきたと感じている |
アロビックス | 血管拡張作用があり血流をよくする | 内服薬 | ・皮膚が過敏になる ・過度な発汗や悪寒 など | AGAが進行して髪の本数やボリュームが気になる |
ミノキシジル
ミノキシジルは、薄毛治療の代表的な薬です。ミノキシジルタブレットのように内服するものもあれば、頭皮に使用する外用薬もあります。血管拡張作用と髪の成長因子に働きかける成分が含まれているため、毛量が少なくなってきたという人におすすめです。
ただし、いくつかの副作用が認められているほか、内服薬は日本を含めた各国でAGA治療薬として認可されていない薬でもあります。服用する場合は、医師の診察を受けてからにしましょう。
ロゲイン
ロゲインは、頭皮に塗ることで発毛促進が期待できる治療薬です。FDAの認可を受けたことで広く使用されており、内服しないため、副作用のリスクも低いという特徴があります。直接頭皮に塗布するため、うまく塗布できていないと効果にばらつきが出る可能性があります。
また、効果を実感できるまで6カ月程度かかるといわれていることから、中・長期的に効果を見ておかなければなりません。
アロビックス
アロビックスは、血流促進効果で発毛を促す治療薬です。ほかのAGA治療薬とは違い、発毛に関わる成分を含んでいるわけではなく、あくまでも血管の拡張によって血流をよくして発毛を促すものです。そのため、ほかのAGA治療薬よりも効果の実感が遅いというデメリットがあります。
ただし、アロビックスに含まれるカルプロニウム塩化物が、日本皮膚学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで有効性が実証されています。副作用が伴うものの、発毛にはおすすめできる薬といえるでしょう。
AGA治療薬は内服薬と外用薬どちらがおすすめ?
AGAの治療では、内服薬のほうが外服薬よりも効果が高いという研究データがなされています。外用薬の場合は、塗布にムラができるというデメリットがあり、内服薬で内側から治療を行うことで効果を実感しやすいようです。近年では内服薬と外用薬を併用する動きもあり、今後の研究に注目が集まります。
しかし、内服薬は効果が期待できる反面、副作用が強く出るデメリットがあります。海外のAGA治療薬を通販や個人輸入で手に入れる人もいますが、おすすめできません。AGAは命に関わる病気ではないものの、副作用を考えるとクリニックを受診して医師の判断を仰ぐのが最適解なのです。
【AGAの症状別】おすすめの治療薬はどれ?
繰り返しになりますが、AGA治療薬を自己判断で選ぶのは危険です。処方する人の体質や疾患の問題もあるため、必ず医師の診察を受けて、最適な治療法を実践することが重要です。
また、症状ごとにどの治療薬が一般的に使われるのかも異なります。予防段階と進行段階に分けて、解説します。
AGA予防段階
AGAを予防するには、以下の方法が考えられます。
- 予防薬で進行段階にならないよう予防する
- シャンプーなどヘアケア、髪へのストレスをためないようにする
薬やグッズを使った予防としては、先述したプロペシアやザガーロを服用して抜け毛の進行を抑える方法と、育毛シャンプーを使用する方法があります。ほかにもヘアケアで頭皮のメンテナンスをおこなうのも効果的です。
また、生活習慣の見直しやストレス発散も、AGA予防に有効とされています。十分な休養とバランスの良い食事を心がけてAGAを予防しましょう。
AGA進行段階
AGAの進行段階になると、ミノキシジルやロゲインなどの発毛成分を含有した治療薬の服用にばかり目がいきがちです。しかし、大事なことは、育毛と進行の阻止です。この2つを並行しておこなう必要があると考えればよいでしょう。
注意点として、薬を併用する場合は双方が悪影響を及ぼさないかを確認しておくことです。併用した結果、重篤な副作用に見舞われる可能性もあるため、事前に医師に相談してください。
また、予防段階と同じく、十分な休養や栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。
自分の症状に合ったAGA治療薬の選び方
本記事にたどり着いた方の中には、クリニックにお世話にならず、自力でAGAを何とかしたいという人もいるでしょう。恥ずかしさもあって相談しにくい気持ちはわかりますが、AGA治療薬を使用する場合は、副作用のリスクが付きまといます。必ず専門医に相談したうえで治療に臨む必要がありますが、どうしてもという方に向け、簡易的な方法ですが以下の手順を紹介します。
- AGA症状のセルフチェックをおこなう
- 症状に適した治療薬を選ぶ
- 服用を続け効果の有無を経過観察する
繰り返しになりますが、紹介する方法は、あくまでも簡易的な方法です。きちんと治療するには、専門の医師に頼ったほうがよいことを念頭に置いておきましょう。
AGA症状のセルフチェックをおこなう
AGAは、急激に発症するわけではなく、時間をかけて徐々に進行していきます。そのため、AGA症状が見られるかどうかは、以下の項目を用いてセルフチェックするのがおすすめです。
- 抜け毛の量が増えた
- 毛量(髪の毛のボリューム)が減った
- 髪の毛が細くなった
- 産毛が増えた
- 頭頂部やつむじ周辺の地肌が見える
- 前髪の生え際が後退した
過去の写真と比較するとわかりやすいでしょう。症状があらわれてすぐに治療できるよう、定期的にチェックするのがおすすめです。
症状に適した治療薬を選ぶ
「【AGAの症状別】おすすめの治療薬はどれ?」でも解説しましたが、AGAの症状や段階によって使用する治療薬は異なります。例えば、進行を食い止めればいいタイミングにも関わらず、毛量を増やす成分を配合した治療薬を使用しても本来の目的を達成することはできません。セルフチェックでどの段階にあるのかを判断し、その症状に適した治療薬を選択しましょう。
服用を続け効果の有無を経過観察する
選択した治療薬を3~6カ月程度使用してみましょう。AGA治療薬は即効性がなく、効果が出るまでに時間がかかります。本当に効果が出ているのかどうかは、実際に経過観察してみないと判断できないため、中・長期にわたって使用してください。
万が一、副作用が出た場合は即座に使用を中止し、医師に相談することを忘れてはいけません。診察を受ける際は使用した治療薬を持参し、AGA専門の医師に相談しましょう。
AGA治療薬はどこで買える?
AGA治療薬を購入する方法は、以下の3種類が考えられます。
- クリニックで処方してもらう
- ドラッグストアで購入する
- 通販や個人輸入で購入する
クリニックに通わない場合は最初の項目はなくなりますが、通販や個人輸入はおすすめできません。副作用の詳細がわかっていない可能性があるほか、日本国内で認可が下りていない成分が含まれている可能性があるためです。ベストな方法としてはクリニックで処方してもらうことですが、次の候補としてはドラッグストアでの購入になります。
AGA治療薬を使った治療の流れと費用目安
AGA治療薬を使用して治療をする場合は、現状の段階を見極めてそれに適した治療薬を使用します。使用開始後すぐに効果が出るわけではないため、最低でも3カ月、薬によっては半年使用してください。
クリニックで診察を受けない場合は、薬代の5,000円~1万5,000円程度だけで済みますが、クリニックを受診する場合は、1カ月あたり診察料を含め1万5,000円~3万円です。処方される薬で治療をおこなう場合は、ジェネリック医薬品を選ぶのも方法のひとつです。
ジェネリック医薬品とは後発医薬品のことで、先発医薬品と安全性や効果は同じとされています。費用を抑えられるため、積極的に採用するようにしましょう。
AGA治療は「早期」から始めるのがポイント
AGAの治療は、クリニックを受診する場合もそうでない場合も早期から始めるのがポイントです。薄毛の早期とは「AGA症状のセルフチェックをおこなう」でも記載したポイントが見られ始めたタイミングになります。AGAは一気に進行することはありませんが、始まると食い止めるのが難しくなります。少しでも早いタイミングで治療を開始することで、AGA治療の効果を高めることができるでしょう。
AGA治療の受診は、オンラインでも行えます。「クリニックに行く時間がない」「人目が気になる」という方は、AGA特化遠隔診療サービス「Pesod」を利用してみてはいかがでしょうか。
「Pesod」では、医師によるオンライン診療に医薬品・発毛剤・・育毛剤を組み合わせたパーフェクトトータルケアをサポート。遺伝子検査に基づいた発毛のためのプログラムを策定・提供する医療機関とのマッチングが叶います。医師による診療は無料で行えるので、まずは相談だけ、、、という方も、ぜひ利用してみてください。
AGA治療薬に関するよくある質問
AGA治療薬に関するよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
AGA治療薬は通販でも買えますか
通販でも購入できますが、あまりおすすめできません。通販で取り扱われている治療薬の中には、認可を受けていなかったりそもそも効果が怪しかったりするものもあります。安全性を確保するためにも、通販や個人輸入での購入は避けましょう。
AGA治療薬を選ぶ際のポイントを教えてください
AGA治療薬は、予防に効果があるものと進行した段階で使用するものの2種類があります。自身がどちらの段階かを見極めて選びましょう。また、内服薬と外用薬に分けられますが、効果が高いのは内服薬とされています。
AGA治療薬の服用・使用期間の目安を教えてください
薬によって異なりますが、3カ月のものと6カ月のものの2種類が多いようです。基本的には使い続けることが前提ですが、効果が見られれば薬を減らしてもよいでしょう。ただし、完全に中止してしまうとAGAが再発する可能性があります。
治療薬でAGAは完治しますか?
現在の医療技術では、AGAは完治しないとされています。将来的には完治できるようになるかもしれませんが、現状、薬を服用して進行を抑えるのが重要になります。
内服薬と外用薬どちらがおすすめですか?
研究データによると、内服薬のほうが効果はあるとされています。個人差があるため一概には言えませんが、内服薬と外用薬で悩んでいるのであれば、内服薬を使用しましょう。ただし副作用の問題が絡んでくるため、クリニックを受診してから使用する薬を選ぶようにしてください。
AGA治療薬の代表的な副作用や服用できない人の特徴を教えてください。
副作用で多いのは、性欲減退や勃起不全などの生殖機能、肝機能をはじめとする内臓系の機能が低下するものです。外用薬の場合は肌荒れやニキビ、かゆみや赤みなのどのトラブルが見られます。
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